世界で勝つ!ビジネス戦略力 スマートシティで復活する日本企業(佐々木 経世著)
第一部では、「世界で勝つためにはガラパゴス化しない。」として、14の重要課題を抽出し、それを解決するために、六つの要素の組み合わせてソリューションとする必要があると説き、六つの要素に必要な25の機能を考えフレームワークを用いた網羅的・体系的な取り組みの必要性を説明している。
ここの説明が仮説としながらも、14の重要課題、六つの要素、25の機能を導き出す図が掲載されていて、それが思考の過程をビジュアルに表現していて、とても理解しやすい。
フレームワーク化によって状況を可視化し社会システムの構築・展開を考え、企業連携の強化による標準モデル構築、そして、ソリューションを提供する企画・運営会社とファンドを連携させることにより、スピーディな世界展開が可能としている。また、喜ばしいことにそのような日本発のプロジェクトが始動したともあった。
第二部では、日立製作所、JXホールディング、ヒューレットパッカード、清水建設、日建設計、山武、SAPジャパン、それぞれの経営者が成長の鍵となるスマートシティ戦略を語っている。
最後に、とても印象的だった、ヒューレットパッカード小出社長の言葉を引用する。
物事をトータルに捉える力をいま以上に磨き高めていく必要があるということです。先ほどソリューション力の話をしましたが、個別の部分に長けているだけでは、スマートシティを始めとした巨大ビジネスの世界では太刀打ちできません。東京という綺麗で素晴らしい巨大都市は、個別具体的な課題ソリューション群の結果で成り立っていると言いましたが、それをトータルに捉えて説明できるための言葉が必要です。
<参考>
■14の重要課題
1.太陽光発電及時の余剰電力対策
2.デマンドレスポンスによる需給調整能力把握
3.コストを抑えたマイクログリッド
4.電力供給効率化による大幅コスト削減
5.省エネ重視でQOLが軽視
6.最適自動運転のアルゴリズム確立
7.外部運転モデル確立
8.ゼロエミッションに向けての高いハードル
9.家庭内電力の効率的な一元管理
10.地域特性に応じたデマンドレスポンス
11.VtoG制御のアルゴリズム
12.ガソリン車と同等の利便性
13.EV充電インフラとITSとの高速連携
14.大規模分散電源の安定制御
■「スマートシティ」の六つの要素と25の機能
1.地域EMS
地域エネルギーの見える化
地域エネルギーの需給調整
住民協力のインセンティブの仕組み
スマートビルへの省エネ支援
スマートハウスへの省エネ支援
地域住民への安心安全サービス
オンデマンド電気バス/EVカーシェアリング
2.スマートビル
ビルエネルギーの見える化
自動省エネ運転
外部運転制御
環境配慮型ビル設計
3.スマートハウス
住居エネルギーの見える化
家庭内電力管理
太陽光発電制御
蓄電池/給油ヒートポンプの蓄電/蓄熱制御
デマンドレスポンス
EV充放電制御
4.次世代自動車インフラ
充電施設の最適配置
遠隔診断サービス
オンデマンドサービス
高度道路交通システム
5.分散電源システム
大規模再生可能エネルギー
蓄電池による出力安定化
天候に応じた発電予測
6.シミュレーション
効果予測