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災害ユートピア Sun Mar 27 17:41:00 JST 2011
災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか (レベッカ・ソルニット著)

 自然あるいは人為的な大災害である、サンフランシスコ地震(1906)、ハリファックス大爆発(1917)、ロンドン大空襲(1940)、メキシコシティ大地震(1985)、9.11(2001)、ハリケーンカトリーナ(2005)などで被災したした人々がいかに利他的に振る舞い、助け合いを行い、愛に満ちたコミュニティを成立させたかの記録だ。大惨事になると人間は利己的になり、パニックに陥り、未熟な精神を吐露し野蛮にあるという思い込みがあるが、それは真実からほど遠いとし、むしろパニックはエリートが陥ると説く。

 コロラド大学の自然災害センターを率いる災害社会学者キャスリーン・テアニーはカルフォリニア大学バークレイ校1906年の地震の100周年記念に講演を行い、聴衆をとりこにした。その中で彼女は「エリートは、自分たちの正当性に対する挑戦である社会秩序の混乱を恐れる」と主張した。彼女はそれを「エリートパニック」と呼び、パニックに陥る市民と英雄的な少数派という一般的なイメージを覆した。エリートパニックの中身は「社会的混乱に対する恐怖、貧乏人やマイノリティや移民に対する恐怖、火事場泥棒や窃盗に対する強迫観念、すぐに致死手段に訴える性行、噂にもとを起こすアクションだ」。

 このような考えがより多くの災害を生み出したとしている。この中でも記憶に新しいのは、ニューオーリンズのハリケーンカトリーナだ。このとき米国政府は被災者の救済より治安の維持を目的として州兵や警察を投入し、緊急時の調達というべき物資の確保を略奪(特にアフリカ系米国人の場合)と扱い、マスコミで尾ひれがついてニューオーリンズは無法地帯とされ救援が遅れたとある。その詳細な描写はとても文明国とは思えない酷い状況だ。

 スリーマイル島の原発事故でも、エリートたちは住民がパニックになるのを恐れて、原子炉がどんなに危険な状態にあるかを公表しなかったとあった。世界から賞賛されるまじめで規律正しい国民を有する我が国の政府は。。。
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