ウェブ分析論-アクセス解析を成果につなげるための新基礎知識-小川卓著(メモ)
専門用語が多いように思いますが、全体的にはビジネス目線で書かれていてとても分かりやすい好著です。昨今では検索からソーシャルメディアへを合い言葉にTwitterやFacebook等のソーシャルメディアマーケティング本が花盛りですが、Webの基本としての本書はとても重要な位置付けとだと思います。以下ざっくりのまとめです。
ウェブ分析に先立ち、目標の可視化からと、KGI-Key Goal Indicater(経営目標達成指標)、CSF-Critical Success Factor(重要成功要因)、KPI-Key Performance Indicator(業務評価指数)を設定するところから始まり、分析の基礎としてそのデータ収集方式をApache ログ方式、Webビーコン方式(タグ方式)、Apacheモジュール方式、パケットキャプター方式と解説します。
分析に関する指標は、アクセス数に関するものとして、ページビュー数、訪問回数(セッション数、のべ訪問者数)、訪問者数(ユニークユーザ、UU、ユニークビジター、ユニークプラウザ)、そしてもうひとつ、新規ユーザ/リピータ、コンバージョン、遷移/離脱/直帰、滞在時間が欠かせないと説きます。
統計の基礎知識とグラフの理解からモニタリングレポートへと続きセグメンテーションによる分析として、流入元、検索ワード、入り口ページ、新規ユーザ/リピータ、コンテンツ、コンバージョン有無を挙げ、サイトの課題を発見する10のSTEPとして、主なトレンドの把握、サイトの流入内訳の確認、検索エンジンからの流入の分布、リファラーの分析、入り口ページの分析、出口ページの分析、来訪者の地理情報の分析、特定ページの分析、コンバージョン直前ページの分析、コンバージョンページの分析を提示します。
重要な集客の施策としては、SEO、リスティング広告、メルマガ、アフリエイト、外部広告(プロモーション)、プレスリリース、自己集客 - ソーシャルメディア、公式サイト(モバイル)、他力集客、アライアンスを挙げその特徴を説明します。
最後に、アクセス解析ツールで計測可能なデータを、サイト外からの流入とサイト外への離脱に関する情報、サイト内のページに関する情報、サイト内の導線に関する情報と定義し、計測不可能な情報として、世の中のトレンド(ブログやウェブで話題になっている人、人物)、競合サイトの情報(競合サイトと流入数やユーザ属性)、検索エンジンに関する情報(特定検索ワードの検索回数、トレンド、検索している人の属性)、検索エンジン以外の流入もとに関する情報(SNS,Twitter,外部サイト)、ユーザ属性に関する情報、利用者の声、サイト内の閲覧場所やクリック場所、他のサイトやブログとの関係(一緒に使われているサイトや人気ランキング)とし、それらを解析可能なツールを別途紹介しています。
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